社会人のメモ帳

忘れたくないことアレコレ

【エンジニアの独り言】資格を取得する意味はあるか?

資格を取得する意味はあるか

資格なんて取る意味はないという意見は、少なからず聞こえてくる。エンジニアをしていると、資格を取ることよりも業務経験を積むことの重要性を説く声が、とても大きく聞こえるものだ。

業務経験を積む……このフレーズを使っている者は、その結果に対して何を期待しているのだろうか。まずその期待値を理解することから始めたい。

そもそもどうすれば「業務経験を積んだ」と言えるのか。ここには大目標があるはずだ。ここでは「業務経験を積むこと」と「資格取得すること」の両目標が、それぞれ同じだと仮定する。

資格を取得する目的もとい大目標は、まぁ、下記のいずれかだろう。それ以外の目的があるという方は、それを適当に脳裏に浮かべて欲しい。

  • 年収UP
  • スキルUP

これらの大目標は「業務経験を積むこと」でも達成できる。昨今はないがしろにされがちな年功序列という制度によって、年収は年々増えていき、過去の経験は積み重なってスキルへとなっていく。

そう考えると、ここに資格取得が介在する必要はないように思う。

そもそも業務なんてものは、定年退職まで勤め上げるか、肉体的・精神的に死ぬまで続くものだ。考えたくないけれど。ほんっっとうに考えたくないけれど。つまりは「業務経験を積む」というだけならば時間が解決してくれる。わざわざ大金払って資格取得する意味はないという意見には正当性があるようにも見える。

ブログ主はそこに異議を唱えたい。

資格取得のメリット

そもそも「業務経験を積むこと」と「資格を取得すること」は両立する。業務に励みながら資格取得に向けて勉強するということは、とても大変なことだ。それは社会人の皆様ならば分かるはずである。

そんな資格取得の努力を「意味がない」と否定することは、ブログ主はできない。とはいえ、そのような心情的な理由だけで資格取得を意味があるということもできない。

ブログ主は「Java Silver」や「Java Gold」に合格した。

それぞれJavaというプログラミング言語の知識を問う資格である。これらは実際のJava開発の現場で生きるだろうか。ここでは一旦、これらの資格を取ることで得られたメリットを語らせていただこう。

  1. Javaのコードを読む時に手が止まることが減った
  2. Javaのコードを書く時の「何となく」が減った

まず一つ目「Javaのコードを読む時に手が止まることが減った

Javaにはアノテーションという便利な機能がある。そもそもアノテーションとは何ぞやという説明をすることが、皆さんにはできるだろうか。Java Goldではアノテーションの期待される使い方や、アノテーションを自作する方法が問題として出される。そういった大前提の知識があるだけで、コードを読む上でのノイズが減る。

これは英単語やフレーズなどを覚えていると、英語の長文を読むときのノイズが減ることに似ている。コードを読んでいて、一々、「この@Overrideって何だろ?」というように調べるのは単純な時間のロスだ。

資格勉強では、そういった「今後業務で出会うかもしれない」知識に先回りして遭遇し、知識として蓄えておくことができるようになるのだ。

次に二つ目「Javaのコードを書く時の「何となく」が減った

先ほど例えに出した@Overrideであるが、これは結構な頻度で使われる便利なアノテーションである。しかし、これはどうして便利なのだろうか。ただ既存のコードで使われているから使うでは全く意味をなさない。

答えを言ってしまえば、「オーバーライドする親メソッドのシグネチャが変更されたことを検知できるようにするため」であったり、「該当のメソッドがオーバーライドしているメソッドであることを明示的にするため」であったりといった意味がある。こういった知識があるだけで、実装する時の効率は上がる。

資格で得た知識は業務に新しい視点を与えてくれる。「Java Silver」や「Java Gold」の場合は、「Javaが想定している使い方」という視点だ。これは間違いなく業務遂行の上での武器になるのではないだろうか。

資格の使い方

結局のところ、資格を取得した意味はその後の使い方次第で変わってくると思う。資格を取得したことがゴールになっているならば、それは本当に意味がない。知識は一度身につけてしまえば、その後何度使ったとしても錆びることのない武器となる。

資格を取得して役に立たなかった、と思っている方は、資格によって得た知識がどのように業務で使われているかを考えて見て欲しい。資格のために勉強したという時点で、何かしらは知識として根付いているはずだ。それは何かを考える上で、「視点を追加する」という一助になっているはずだ。

資格が役に立たないという方は、資格で得られた視点が当たり前になっているということなのだろう。ソクラテスが最終的な目標として掲げた「知っていることを知らない」状態に、貴方はなっているのかもしれない。