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プログラミング入門講座 基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業 書評

思考法から学ぶプログラミング入門講座

情報

著者:米田昌悟

発行:2016年10月1日

目次

  • 新しいスキルを獲得しよう!
  • 世界最高の学習メソッドで学ぶ、はじめてのプログラミング
  • プログラミングの全体像を理解する
  • 入門者からの脱却

書評などなど

プログラミングを学ぼうとした時、「何から始めれば良いのか?」「どのように学べばいいのか?」その起点となるべき情報が、この本には簡単にまとめられている。そのため本著に載っている内容は、プログラミングに関する初歩の初歩であり、ある程度学んだ者にとっては当たり前ともいうべき情報となっている。

いや、逆に当たり前過ぎて忘れている内容とでもいうべきか。

第一章『新しいスキルを獲得しよう!』では、プログラミング教育が求められている昨今の社会情勢(本著が出版されたのは2016年なので古い情報となるが)、それらを踏まえつつプログラミング学習で習得できる力として、『コンピュータの基礎知識』や『論理的思考法』、『問題解決力』といったものが上げられる。

要は何が言いたいかといえば、プログラミングを学ぶ=エンジニアになるということではない。プログラミングを学ぶ=社会で役に立つ力になる、と言いたいのだ。そのため本著における目標は、「C言語を書けるようになる」「Pythonが書けるようになる」といった文法の習得ではなく、それより前の段階としてプログラミング言語を書く上での考え方の習得にある。

著書内に2020年を目標にしてプログラミング教育を指導要領に組み込む計画が推し進められている、というような記述がある。それは実際に達成されており、文部科学省のHPにはプログラミング教育を教えるための情報がまとめられている。

そこにビジュアルプログラミングと呼ばれるものの記載があった。ビジュアルプログラミングとは、プログラミング言語を記述するのではなく、視覚的なオブジェクトを並べることでプログラミングできる導入教育に最適なプログラムのことである。

第二章と第三章では、そういったビジュアルプログラミングを紹介しつつ、実際に学習に取り入れた事例やその効果がまとめられ、第三章の中盤以降では実際にあるビジュアルプログラミングの一つ『Scratch』というサービスを駆使して、『○×ゲームを作る』という課題に取り組んでいく。

第一章、第二章の座学だけでなく、実際に手を動かしてプログラミングを行う部分まで網羅しているという訳だ。この『○×ゲームを作る』という課題を受けた際の考える順序を重視しているような印象を受けた。

それらを受けての最終章『入門者からの脱却』では、実際にプログラミング言語の文法を取得する上で何を学ぶべきかをまとめている。プログラミング言語というのは、C言語C++C#Java……というように膨大な数があり、その中のどれを学ぶかの選択も大事になってくる。

ただし、第一章から第三章を真面目に取り組めば、どの言語であろうとも習得は難しくないだろう。そうやって難しくないように大事なのが、プログラミングの考え方を習得することなのだから。

プログラミングが全く分からないという方は、とりあえず本著をきっちりやり終えて、これからどのようなプログラミング言語を学ぶべきかを考える……というプロセスが無難なのではないかと思う。