新人教育してる。
IT業界にそこそこいるので、新人教育を任されることも "そこそこ" 増えてきた。タスクとして割り振られていないにせよ、新人に質問されたりしたら答えたり指導することも多い。そのような立場になって、見えてくる景色というものもある。
人がどのように作業をしているのかを、マジマジと見たことはこれまでなかったが、新人教育をするとなると、新人の仕事を真横で見ることになる。そうして作業している様子を眺めていると、気になることがあった。
ショートカットを全く使わないのだ。
[Ctrl + c]でコピー、[Ctrl + v]でペーストというのは、IT業界人にとっては常識……だと勝手に思っていたが、新人にとってはそうではない。かくいう自分もPCに初めて触れた頃はショートカットを知らなかったのだ。誰かに教えて貰わない限り、ショートカットを使うという発想が出てこないのは至極当然のことだと思う。
とはいえ新人教育として、ショートカットをわざわざ教えるような時間を取ることはない。自分としても作業の度にショートカットを指摘するのも、されるのも面倒だ。新人教育する上での優先度は低い。
……と思っていたが、「ショートカットが存在する」という発想があるだけで作業効率は大きく変わる。知っている人と知らない人の間には、想像よりも大きな隔たりがある。
効率化することは正義。
効率化することは悪いことではない。まるで狡いことのように扱う輩もいるが、効率化することで仕事の煩雑な手間が省かれるだけで、時間的な節約になる。それより何より、個人的には精神的なストレスが減ることが大きいと思う。
文章のコピペ作業をショートカットを使わずにしようとした場合。
- コピーしたい文章を選択
- 選択された状態で右クリック
- 表示されるメニューの「コピー」を選択してクリック
- コピペしたい先にカーソルを移動させて右クリック
- 表示されるメニューの「貼り付け」を選択してクリック
ここにおける「メニューを表示させて「コピー」or「ペースト」をクリック」する手順が省かれる。これだけのことと思われるかもしれないが、このちょっとズレたら選べない地味な作業をする必要がなくなるだけでストレスが減る。
効率化=ストレスを減らすこと、これが本質だと個人的に考える。
仕事で必要なフォルダやリンクが分からなくなることが、個人的にはストレスだった。それを解消するために、Googleのブックマーク機能や、エクスプローラーのショートカット、クイックバーへのピン留めなど、よく使うものを見える場所に置いておくだけでストレスが減る。
新人はそもそもブックマーク機能を知らなかったりもする。それを教えるだけでも、そこから先のストレスは減っていく。そこから更に一歩踏み込むと、Googleのブックマークはフォルダにまとめることもできる。それにより分類すれば探すのも楽になる。それらは名前を編集することもできるので、整理することで、新たにリンクを追加していくことも楽になっていく。
そもそも知っている/知らないだけでも違う。一回聞いただけでは覚えられないことも多いが、一回聞いたことがあるか/ないかだけでもやはり違う。Googleのブックマーク機能があることを聞いた、そうなるといずれは使うかもしれない。
新人教育をするに当たっては、「まずは知ってもらうこと」を念頭に置いて、今後思考する上での取っかかりの一つにして貰う。これが先輩としてできることの一つではないだろうか。